【聞いてあのね 123】

2016年6月聞いてあのね vol.123 夢の

相田雅彦さんが、その想い一筋にかけて開発・製造し続けてきた竹繊維、『竹布』。
天然の抗菌性を持ち、竹生まれとは思えない柔らかさ、優しさ。
アトピーをはじめ肌に疾患や悩みを抱えた方に寄り添い、僅かな負担やストレスをも取り去ろうと、研究を重ねてこられました。

2001年に『ボディタオル(ノーマル)』から始まり、タオル・衣類・寝具などが生まれ、2014年には平織りの『竹ガーゼ』が生まれました。

そしてこの秋、特別な編み機を導入し、相田さんが追い求めてきた、夢の〝縫い目のない〞伸縮する包帯・手袋の製造が現実のものとなります。

〝縫い目のない〞特別なシリーズは、誰のために、何のために、開発されたのでしょう。相田さんからお話を伺いました。

相田 雅彦 (そうだまさひこ) (株)ナファ生活研究所代表。(一社)空飛ぶ竹ガーゼ社代表。竹繊維・竹布(TAKEFU)の開発者。ほっとメッセージに「河の流れのように」を連載中。

「掻いていいよ」と言われる 
包帯を作ってあげたい。

創業以来、『竹布』を通してたくさんのアトピーの方と出会い、その辛さを目の当たりにしてきました。
彼らが最も辛いのは「掻いちゃだめ」と言われること。

木綿や絹ですら刺激となり、肌触りや静電気がきっかけで耐え難い痒みを引き起こす...そこで「掻いちゃだめ」と言われたら、それはストレスです。

「掻いていいよ」と言われる包帯を作ってあげたい。

「掻いていいよ」でストレスが半減、『竹布』の気持ちよさでさらにストレスが減り、実際掻いてもいいし、掻くことが気持ちいい。よしんば掻き壊したとしても、『竹布』なら最初から包帯をしているようなものだから大丈夫。

また、〝縫い目のない〞シリーズは、世界に二億人いるといわれるリンパ浮腫の方のためでもあります。

リンパが滞り手足がむくみ腫れ上がる病気で、特に乳がん・子宮がんの手術のあとに起こることで有名です。

腕や腿の周囲が1メートルに達するほど腫れることもあるため、圧迫療法で一日中締め付ける...。その時に巻いた包帯の段差や縫い目が辛いんです。

今度の編み機でチューブ包帯を作れば、縫い目も段差もどこにもありません。きっと、喜んでもらえるはずです。
創業時からずっとそう思ってきました。

外部の工場任せにせず、
自分たちの手で作るしかないんです。

特にこの3〜4年は本腰を入れて、縫い目の極力少ない製品の試作を重ねてきましたが、どうしても縫い目ができてしまう。
ところが最近になって、日本の特殊な編み機を使えば、縫い目のない、まさにイメージ通りのものが作れることがわかったんです。

今まで作ることが不可能だから諦めるしかなかったものが、「作れる」となったら...もう、値段も聞かず、その機械を買うしかない、となったわけです。

もともと超高級ブランドのワンピース等を縫い目なしで作るものなのですが、それで包帯を作ろうなんていうアホは私くらいのものでしょう。

でも、その機械しかないとなれば、選択の余地はありませんし、繊細な製品ですから、外部の工場任せにせず、自分たちの手で作るしかないんです。
そうと決まったら、物事が良い方にトントンと回り始めました。

機械は思わずブルブルっと来るほどの価格だったのですが、展示品として数回動かしただけの〝新古機〞と巡りあい、その機械を同時に欲しがっていた方が手を引いたことでうちが購入でき、値引きをしてもらえました。

機械を置く場所にも苦労しましたが、東京・平和島の新倉庫の一画に工場スペースを確保できました。

この機械専属のオペレーターを新卒で雇うため、専門学校の先生に紹介をお願いしていたのですが、就活の時期の最後の方になってようやく、朴訥な人柄で、幼いころから編み物が好きで好きでたまらないという職人気質の子を紹介してもらうことができました。

完全に扱うには10年かかるといわれる難しい編み機ですから、今はメーカーさんに出向いて研修をみっちり受けてもらっています。

 

竹繊維と出会って16年、竹繊維を製品にするノウハウと、機械メーカーの技術があって結実した、夢の〝縫い目のない〞包帯・手袋。早ければこの秋に、本当に必要な、待っていてくれる人たちの手元に届けられるようになることを、心底嬉しく思っています。

 

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