【うちんTOMODACHI❤】 第九話 ~戦国武将・木村重成に学ぶ(4)〜

戦国ジャニーズ・木村重成と、大坂城一の美女・青柳の恋が実り、晴れて夫婦となった4ヵ月後、大坂夏の陣が始まりました。

決戦の日が近いことを悟った重成は、極端に食が細くなりました。
青柳が心配してその理由を問うと、「敵に討ち取られた場合に、裂(さ)かれた腹から食べたものが出ると見苦しいからである。」と、彼は澄んだ瞳で答えたといいます。

重成の覚悟を知った青柳は、夫の髪を入念に洗い、兜(かぶと)には香を焚(た)き込めました。そんな新妻に対して、重成は、謡(うたい)を歌って別れの盃(さかずき)を交わすと、戦場へと旅立っていったのです。

元和(げんな)元(1615)年5月6日、徳川軍の精鋭を相手に奮闘を続けた重成は、ついに壮絶な討死(うちじに)を遂げました。

その翌日、大御所・家康の前で、大坂方の諸将の首実検が行われると、重成の頭髪から、えもいわれぬ芳(かぐわ)しい香りが...。
家康はじめ徳川方の諸将は、この若武者の悲愴な覚悟を知り、涙を流さぬ者はいなかったと言われています。

絵に描いたような美男美女のカップル・重成&青柳夫妻は、その最期がどちらもあまりにも劇的です。

重成が戦死して程なく大坂城は落城。彼が命を懸けて守ろうとした豊臣家は滅亡しました。
この時、城から落ち延びた青柳は、親類を頼って近江(おうみ)の国(現在の滋賀県)へ。
実は青柳は、懐妊していたのです。
彼女は男児を出産すると、出家して尼となりました。

そして、重成の一周忌を終えると、重成の後を追って自害したそうです。

重成にひと目惚れした日から死の瞬間まで、青柳は、ただひたすら彼のことを思っていたのでしょうね。
まさに、命を懸けた、世紀の恋...。
あまりにも美しく、あまりにも切ない恋物語ですね。彼らの生きた時代に比べ、現代はなんと恵まれているのでしょう。

それなのに、私たちは、一歩を踏み出す勇気を持てなかったり、途中であきらめたり...。
命をとられる心配なんてないのに、私たちは何を迷い、何に躊躇(ちゅうちょ)しているのでしょうね。

思いきり人を愛し、思いきり自分らしく生きていくこと。
それが重成と青柳に対するせめてもの「はなむけ」になるのではないかと思います。

「博多の歴女」白駒妃登美

埼玉県生まれ、福岡県在住。
大学卒業後、大手航空会社の国際線乗務員として7年間勤務。
その後結婚、出産を経て、福岡県を拠点に結婚コンサルトの活動をしながら、「博多の歴女」として歴史講座を積極的に展開。
2012年、日本の歴史や文化の素晴らしさを国内外に広く発信する「株式会社ことほぎ」を設立。
全国各地で公演活動に取り組んでいる。著書に『人生に悩んだら「日本史」に聞こう』(共著、祥伝社)、3月末には新刊『感動する!日本人は逆行をどう生きたか』(中経出版)を発売。
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