人間の骨密度とシリカの関係~フラミンガム研究より

人間の骨密度とシリカの関係~フラミンガム研究より

アメリカでは1940年代に、同一地域の住民を対象に、食生活や血圧、血清脂質値などを長期にわたり追跡調査して健康状態の変化を調べる「フラミンガム研究」が始まりました。

1970年代になると、さらにその次の世代を対象にした「フラミンガム子孫研究」が、米国と英国の共同研究グループによってスタートしました。

これらの研究で、骨の強さ(骨密度)とケイ素の摂取量との間には密接な関係があることが明らかになり、2001年米国 骨&ミネラル・リサーチ協会ならびに、2003年国際骨代謝学会議において、次のような研究結果が発表されました。

シリカ摂取について長期追跡 ~フラミンガム研究~

実験方法

フラミンガム子孫研究に参加した2,847名(30~87歳、男性1,251名、女性1,596名)の背骨(脊椎)、足の付け根の骨(大腿骨頚部)の骨密度を測定し、さらに彼等が摂取した食品中のシリカなどをケイ素量に換算して比較した。

(ケイ素の摂取量の多少によって対象者を4つのグループに分類)

実験結果

男性や、閉経前の女性では、ケイ素の摂取量が多いほど、大腿骨頚部の骨密度が高かった。

閉経後、女性の骨密度は大きく下降していく。
特に出産を経験した女性は、将来に備えて骨の健康に気を配る必要がある。

※ ケイ素が酸素と結びついたものが、シリカ(二酸化ケイ素)です。

ちなみに、カルシウム摂取量と骨密度の調査では、カルシウム摂取量が最も多いグループと最も少ないグループの骨密度の差は、5%に過ぎませんでした。

この調査結果から、研究者グループは「食事からのケイ素摂取量の差が骨密度に及ぼす影響は、カルシウムより大きい」と結論づけました。

ケイ素・シリカと骨の関連

この「フラミンガム子孫研究」以前には、さまざまな動物実験によって、ケイ素は骨の健康に関わるミネラルであろうとは考えられていましたが、人を対象に長期間、大規模に調査し、ケイ素と骨の関連が明らかになったのはこの調査が初めてです。

ベジシリカカテゴリの最新記事