「健全な作物は健全な土にできる」を合言葉に土作りに努めているため、農薬はもちろん土壌消毒剤や除草剤を一切使用していないため雑草の除去は全て手取りで行います。
特に夏場の雑草は生育も早く、ほうっておくと人参の生育に障害がでてくるために連日除草作業が必要ですが、長時間に及ぶ中腰での作業は本当に大変な労働です。
そんな農家の方々が一生懸命苦労して作ってくれた野菜を大切にしたいという思いから、濃縮還元ではない本物のしぼりたて、無添加人参ジュースの生産をはじめた株式会社イー・有機生活 伊藤孝博さんの生産者としての想いを伺いました。
農薬や化学肥料を通常通り使用する一般的な慣行栽培に比べ、無農薬有機栽培の収穫量はおよそ3割少ないといわれています。
長雨の年などは通常よりも病気が発生しやすくなりますので、最悪の場合は5割減と慣行栽培に比べ収穫量が半分になってしまうこともあります。
さらに除草剤を使用しないために行う手取り除草作業の人件費コストは、生産高のうち30%もの割合を占めます。
では、そんなに苦労して大切に栽培された人参だから、実際の労力に見合うだけの価格で売れるかというとなかなかそうもいきません。
さらには収穫された全てが市場に出せるわけではなく、形が悪い人参は売れないという理由から全く価値が評価されないため、今までは文字通り捨てるしかなかったのです。
ですから、有機野菜は高いと言われる方がいますが、実際の農家さん達は苦労の割にはギリギリの収入でやっているのが現状です。
こんなことが続いていけば、せっかく頑張っている農家さん達が無農薬有機野菜を作り続けることができなくなってしまう。
私たちの命を作るために安心安全な野菜を育ててくれているのに、絶対にそんなことになってはいけない。
だから、頑張っている農家さんの少しでも役に立ちたくてこの仕事を始めたのです。
人参ジュースの原料に使用されている人参は、今まで捨てられていた規格外の人参も積極的に使用しています。
ジュースにすれば形は気にならないし、そうすることで農家の方は少しでも収入になり、また来年も農業を続けていくことができる。
私たちは持続可能な農業のために、これからも頑張っている農家さんを応援していきたいと思います。