竹繊維との出会い
私が竹繊維と出会ったのは、2000年の春。上海の友人に、竹から出来たという原綿を見せられた時です。当時の私は、絹のような光沢を持つ竹繊維に秘められた価値と役割を理解できずにいました。
帰国後、竹繊維の役割を色々模索する中、食品分析センターに抗菌テストをお願いしました。結果は、検査官が驚いて電話をかけてくるほどでした。なんと実験した4万個の菌が、すべて死滅したというのです!天然繊維に菌を死滅させる力があるなど、誰も考えなかったことです。
この結果から、私は竹繊維は医療・衛生の分野で活かされるべきだと確信しました。
現在、医療現場で主に使われているガーゼは綿です。しかし、綿の栽培には全世界の農薬使用量の40%を占めているというのです。とてもショッキングでした。まだ綿ほどコストが安くありませんが、近い将来、綿に代わって医療現場に普及させていきたいのです。
竹はとても生命力にあふれた植物で、毎年発芽し、2~3年で成木になります。農薬を散布することなく、種を植える必要もありません。しっかり管理し、成木だけを使用すれば資源が減ることもないのです。それでいて、天然の抗菌力がある。竹は、まさに大地が与えてくれた贈り物です。
竹の繊維で糸を紡ぎ、生地にして
「1999年の夏、竹の繊維を産みだし、類い稀なる抗菌力が明らかとなった日、その果たすべき役割を夜通し考えながら、私は、乗り越えなければならない課題の余りの大きさにめまいがしそうでした。」と。
それから13年。
「竹の繊維で糸を紡ぎ、生地にして、傷にそっと寄り添うガーゼをつくる…。
そしていつか、医療の現場に届けたい。」
その想い一筋に、竹繊維100%のもの作りにこだわり、素材開発、技術革新に大半の月日を捧げ、竹の育成、医療用ガーゼの国内生産化へと、幾多の壁を乗り越えながら粛々と歩みを進めてきた相田さん。
その間、TAKEFU(竹布)は、木綿や絹ですら負担の重いアトピーや敏感肌の方でも安心して使っていただける様々な製品に姿を変え、多くの方々にご愛用いただいてきました。
そして今、「いつか、医療の現場に届けたい。」
という相田さんの想いをのせて、いよいよ竹布が医療現場へ向けて羽ばたいてゆきます。
「人が最も傷み苦しむその時に、そっと傷に寄り添い、ただ快癒を祈る一枚のガーゼ」
『守布(まもりぬの)』と名づけられた国産の竹布ガーゼが、原点でもあるこの念願の使命を果たしてゆくことになります。
そして、
「今後も竹の育成による地球環境浄化への貢献、竹の総合利用によるさらなる人類への貢献が、竹の育成から製品の製造及び販売そして購入し使ってくださるユーザーの皆様、その竹布に関わるすべての皆様の喜びとなるよう、常に良心を全ての判断基準とし、妥協のないもの作りで歩み続けてゆきたい」
と相田さんは決意されています。
TAKEFU開発者:相田雅彦(そうだまさひこ)
1956年10月27日 長崎県大村市生まれ
(株)ナファ生活研究所 代表取締役、一般社団法人空飛ぶ竹ガーゼ社代表理事。
大学卒業後、フリーの美術記者として作家の取材をしながら「ものづくり」の厳しさに感動する。そして30歳を契機に、嘘の介在することのできない「ものづくり」の世界で生きることを決意し30有余年。
1999年より開発に入ったTAKEFU。2018年1月、目標としてきたTAKEFU医療用ガーゼとして国に登録され、ようやくスタートラインに近づいて来たと語る。
Pick Upさわりに来てみて!~ショールームで直接触れてみてください~
Pick Up夫にも娘にも大好評~竹布お客様インタビュー~